そんなわけで、足甲骨折の夫は外出ドクターストップなので、ずーっとマルセイユで過ごしている我が家。家から出られないと思うと暗くなるけれど、だったら、いっそ人に来てもらえばいいだけのこと・・・という発想の転換をして、週に1度はアペロの企画開始。

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夫が動けないこともあって、初対面に近い人でも、食前酒を作ったり、キッチンから何かを運ぶのを手伝ってくれようとするのはフランスならではの習慣で、より距離感が縮まるというか、気の置けない感覚になれる効能が嬉しいところ。

一方で、お酒の買い足しも私の仕事。折りしも、スーパーで日本のウイスキーがキャンペーン中だったのに出会ったので1本。提携ではなくて、ちゃんと日本製。

ウイスキーをバーやビストロで見かけては喜んでいたのはつい数年前までで、この頃は、ごくごく普通に見かける日本のウイスキー。とはいえ、フランスでは、ウイスキーは男性の飲み物というイメージのままで、しかも、ストレートかロック。

女性の私が「ウイスキーいただくわ」と言っただけで訊き直されるぐらいちょっと驚かれるので、黙って、さりげなく（のつもりで）ハイボールを作っていたら・・・

「Kimiko、君、それ間違ってるよ。ウイスキーだよ、何入れてるの」と驚いた声を上げたのは我が家に来るのははじめてのご夫婦。

「いいのよ。これハイボールっていって美味しい飲み方なのよ」という私に、「嘘でしょう？また冗談ばっかり」と信じない。

そういえば、食に関しては意外なぐらい保守的なフランス人たち。実は、日本のウイスキーの評判のお陰で、かなり居心地よく口に出来るようになっているここ数年・・・