息子のバルセロナ土産は、私好みの色デザインのコーヒーカップ。

Expresso エスプレッソではなく、Café Allongé カフェ・アロンジェという薄めを選ぶ私には、ちょうどぴったりのサイズで嬉しい。1年前に、ずっと気に入って使っていた伊万里のカップを割ってしまって、コーヒーを飲む回数が激減しているのに気づいていたらしい。子どもは、見てないようでちゃんとわかっていてくれるんだと、ちょっと、かなり嬉しい贈り物。

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1週間の交換留学プログラムは、息子の通うマルセイユの私立の一貫校とバルセロナの同様の学校とで College の4年生(=日本の中学3年生)になったら、希望者の中から選抜で行けるもので、小学校に入学したときからわかっていて、楽しみにしていたもの。フランス語的に表現するなら『夢』(のひとつ)だった。

生まれた(南米の)国の言葉だから、きちんと身につけたいとずっと願っていた彼は、学校で授業で選択しての勉強を始めたのは1年前だけれど、今では、日常会話は普通にこなせる。おなかの中にいたときも、生まれてからフランスに移る前の8ヶ月も、耳に飛び込んでいたはずなので脳は動くんだと思う。

よく、意地悪な人に、「高齢出産の一人っ子だから生きがいでしょう?」と言われたりするけれど、彼が人生のすべてではないけれど、最優先事項は彼のシアワセ。欲しいものを好きなだけ買い与えるような贅沢は出来ないけれど、出来る限り、可能性を与えたやれることが私の夢。

生後数日からアトピーで肌はずる向けになり、乳・卵白・小麦の食物アレルギーがわかってからは、洋で育てるより和での方が、のびのび心地いいのではないかと考えたりもしたけれど、小学校入学時に見た高校までのプログラムの数々は、欧州でならではの特色あるもので、今回のこのホームステイも、選考直後に双方の組み合わせが決まったらすぐに子どもたちはメールのやり取りをし始め、実際に滞在中にも、昼休みも皆一緒にマクドナルドで過ごしたり、放課後も子どもたちだけで街に繰り出したり、スペインの子どもたちが普通にしている中にフランスの子どもたちが入れてもらうもの。保護者たちは、遠出や夜間の送迎、そして、各家庭で、自分の子どもと一緒に、同じように接してくれる。

そして、春には、今度はスペインのその子たちがマルセイユにやってくる。カタルーニャがEUのままかどうか、この先どういう波が待っているのかわからないけれど、我が家に来る子には、とびきりのいい思い出を持って帰ってほしいと今からとても楽しみ。

実は、子どもが選ばれるかどうか以前に、フランス語がネイティヴでない、外国人の母親(私)がネックになったらどうしようかと、ひそかに心配していた。だから、普通のフランスのお母さんとして認められた気がして嬉しい。英語を学ぶならネイティヴ、という価値観で育ってきたから、我が家はネイティヴなフランス家庭として認められるのかと、ふと不安になるでしょう?

それに限らず、時折、自分の選択は間違っていなかったのかと思う(のは、私だけでなく、誰にもあることとは思う)けれど、たぶん、正解はいくつもあって、今日、私がここでこうして笑顔で暮らしていることは、とりあえずは、そのひとつを選んでいるんだと、思う。